植物由来の天然甘味料ステビア。甘味はとても強いのにもかかわらず糖質ゼロでカロリーが控え目であることから、その効果が注目されています。
現在はその安全性が確認されていますが、以前はステビアは、アメリカやヨーロッパでは使用が禁止されていました。実際、ステビアの危険性や安全性についてはあまり広く知られておらず、「本当にステビアを使っても大丈夫なのか?」と心配になってしまいますよね。
この記事では、なぜステビアは禁止されていたのか、そして現在はどう評価されているのかについて解説します。糖尿病患者やダイエット中の人にとっては効果的な使い方もできますよ。
もくじ
ステビアとは一体どんな添加物?ダイエットにいいって本当?
様々な危険性があるとも言われている甘味料ステビア。以前はアメリカでの使用は禁止されていました。一方でダイエットに効果的だという噂もありますが、はたして本当なのでしょうか。ここでは、ステビアの基本的な情報を解説します。
ステビアの糖質量
ステビアは、南アメリカで栽培されているキク科の植物です。また、ステビアの甘味はとても強く、普通の砂糖の200〜300倍の甘さがあると言われています。少量使うだけで十分に甘味が出るため、カロリーを抑えることもできます。
しかし、ステビアの甘味成分の仕組みは配糖体といい、糖(オリゴ糖)と糖以外の糖以外の物質が結合したものです。そのためステビアには糖質が含まれていません。そのため、「糖質ゼロの甘味料」として注目されているのです。
血糖値に影響しない
血糖値とは、血液中に含まれる糖(ブドウ糖)の濃度で、ご飯や麺、パン、果物、砂糖など、糖質(炭水化物)を摂取することによって上昇します。健康維持において、血糖値の数値を管理するのは、大変重要です。
しかし先ほど触れたように、ステビアには糖質が含まれていません。そのため、血糖値を気にしている人やダイエット中の人にとって、ステビアは便利であるといえます。
つまり、糖質ゼロのステビアは血糖値へのマイナスな影響を与えることは無いのです。
腸内環境への影響
ステビアを摂取することで腸内環境が改善されるという説がありますが、これに関しては明確な情報はありません。
むしろ、ステビアは大量摂取することで下痢を引き起こす可能性があるため注意が必要です。便通が良くなることと腸内環境が整うことは全く別物ですので、インターネット上の情報を鵜呑みにしないようにしましょう。
ちなみに、人工甘味料として多く使用されているアステルパームとスクラロースに関する研究では、これらの物質が腸内フローラに悪影響を及ぼすとの報告もされています。ステビアの人体への影響は、まだ解明されていない部分も多いようです。
【参考:PRTIMES「腸内フローラに影響を及ぼす人工甘味料はあなたの味方か敵か?」】
ステビアはアメリカで禁止されていた!その理由とは?
ステビアは、2008年にアメリカ食品医薬品局によってその安全性が確認され、使用が認められるようになりました。しかし、それ以前は、ステビアを長期にわたって摂取することでの人体への影響が危険視されており、アメリカやヨーロッパでは使用が禁止されていました。
発がん性
日本でステビアが使用され始めたのは1971年ですが、アメリカやヨーロッパ諸国では、ステビアには「発がん性」があるといわれていました。
しかし現在は、様々な医薬分野の専門家によって調査・評価が行なわれ、ステビア甘味料には発がん性が無いことが報告されています。
生殖器への影響
現在、ステビアの生殖器への影響は確認されていません。しかし、過去の動物実験においては、性ホルモンの減少や妊娠率の低下が報告された事例もあります。ステビアの人体への影響は分かり切っていないため、妊娠を望んでいる方は、念のため使用を避けるのが良いでしょう。
一日あたりの摂取上限
現在、日本でのステビアの使用制限量は特に設けられていません。
欧州食品安全機関は2011年、ステビアの1日当たり摂取許容量を4ミリグラム(体重1kgあたり)と設定しました。海外で摂取上限が設けられているとはいえ、少量では安全性に問題はないので、過剰に心配する必要はないということです。
【参考:ステビア甘味料の現状】
人口甘味料ステビアの安全性とは?日本での使用事例も紹介
以前は危険視されていたステビアですが、アメリカやヨーロッパ諸国ではもう禁止されていません。日本の厚生労働省も、様々な調査結果を受けて、ステビアの使用を認めています。ここでは、ステビアの使用例やメリットをご紹介します。
ステビアが使われている飲食物
現在ステビアは各国で使用が認められているため、チョコレートやスポーツドリンク、炭酸飲料水など、様々な食品や飲み物に使用されています。
ステビアの甘さは清涼感があるため、ドレッシング、麺つゆ、フルーツ缶、ヨーグルトなどにも使用されています。
コカ・コーラ社は、以前ステビアを使った飲料「Coke Life」を2015年に発売しましたが、後味の苦味と強い甘草臭が問題となり、短期間で販売を中止することになりました。
糖尿病の人には効果的な面も
ステビアは、糖尿病を治療中の人にとって以下のメリットがあるといえます。
・少量で強い甘みを感じるためカロリーを抑えられる。
・血糖値に影響しない
・糖尿病食の味付けを改善
3つ目のポイントに関して、糖尿病食は基本的にとてもシンプルな味付けであり、糖尿病患者にとって、食事を楽しめないということが問題でした。しかし、ステビアを使用することで、糖尿病の患者用の食事の味付けは大幅に改善されるようになりました。
ステビアの用途
ステビアは、料理やお菓子作りの際に、砂糖の代わりに取り入れることができます。ステビアは砂糖の200〜300倍も甘いため、少量の使用で十分に甘味を出せるのがメリットです。
一度の使用量が少ないことから、コスト面では、ステビアは砂糖を使った場合と比べて3分の1〜5分の1で済みます。家庭にとってもうれしいポイントですね。
まとめ
ステビアは、発がん性や生殖器への悪影響の可能性から、アメリカやヨーロッパでは一時使用が禁止されていました。しかし現在は、欧州食品安全機関やアメリカ食品医薬品局によってその安全性が確認され、効果的な使用法が検討されています。
そのため、ステビアの危険性について過剰に心配する必要はありません。とはいえ、ステビアの影響については未知の部分もあり、大量摂取による健康被害の懸念もまだ残っています。糖質ゼロで血糖値を上昇させないという点から、ダイエットや糖尿病治療のために少量使用するのは問題ありませんが、大量摂取には気を付けて、効果的に取り入れてみましょう。