串焼き居酒屋に行けば、必ず目にする「砂肝」。美味しいだけでなく、あのコリコリした独特の食感に、なぜか病みつきになる人は多いですよね。
ホルモンでありながらも脂が少なく、いくら食べても大丈夫!とついつい食べ過ぎてしまう方、実は砂肝は栄養価満点でありながらも食べ過ぎは良くないんです。
今回の記事では、実はよく知らなかった砂肝の謎、食べ過ぎるとどんな危険性があるのか、そして、その危険性を少しでも抑制できる食生活についても紹介していきます。
もくじ
砂肝ってどんな食べ物?意外と知らない謎と気になる栄養素
串焼きの鉄板である砂肝串。でもその正体を知っていますか?砂に肝って…砂が含まれている肝?あのコリコリはもしかして砂なの?いや、違います。謎の多い砂肝。さっそく正体を解き明かしていきましょう。
砂肝って鶏肉の一部なんだ!
砂肝とは、鳥類の胃の一部である「砂嚢」と呼ばれる部位のことを言います。鳥は歯を持っていません。食べたものを、あらかじめ飲み込んでいた砂礫を使って砂嚢で砕きすり潰します。
砂肝は「筋胃」とも呼ばれ、ほとんどが筋肉でできており、コリコリとした食感が特徴です。また、脂肪が少なく低カロリー。
健康面にうれしい栄養素がたくさん!
砂肝の主な栄養素は
・タンパク質
・ビタミンB12
・鉄分
・亜鉛
・ビタミンK
です。
ほとんどが筋肉である砂肝は、もちろんタンパク質が豊富です。
ビタミンB12や鉄分は貧血予防に重要な役割を果たします。
亜鉛は新陳代謝サポートをするため、肌や粘膜部分の細胞の再生に欠かせません。
ビタミンKは出血時の止血や骨を作る働きがあります。
そして糖質と炭水化物がゼロなのも大きなポイント。
筋力トレーニングやダイエットをしている人、美容に関心のある人、成長盛りの子供、老後の骨粗相症予防、そしてウイルス感染予防のための免疫力アップにも嬉しい栄養素がたくさん含まれています。
その反面、こんな栄養素も含んでいる!
健康面にも美容面にも嬉しい食べ物である砂肝には、気をつけておきたい栄養素も含まれています。
それは、
・コレステロール
・プリン体
です。なんとな〜く、体にあまり良い印象がないものたちですよね。
コレステロール?プリン体?なぜビタミンKに気をつける?
あまり印象の良くないコレステロールやプリン体。でも、全く摂ってはいけないわけではありません。これらも身体にはなくてはならないものであり、標準量を摂取していれば、問題はないものなのです。
そして、ビタミンKには気をつけなければならない人がいる理由を解説していきます。
コレステロールは動脈硬化を引き起こす
コレステロールは脂質の一種。細胞、ホルモン、胆汁酸の主要成分であり、身体になくてはならないものです。
しかし、摂りすぎには注意が必要です。
コレステロールは脂質のため血液に溶けることができません。中でも悪玉コレステロールと呼ばれるものは、血中に増えすぎると血管壁の内部に蓄積し、やがて血管壁が厚く硬くなり動脈硬化を引き起こします。そして動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞の原因になると言われています。
プリン体はあの辛い病気を引き起こす
プリン体は旨味の成分で、DNA、RNAと呼ばれる遺伝子の構成成分のこと。細胞の代謝や増殖に利用され、身体になくてはならないものです。ビール、レバー、魚卵等に多く含まれています。
「痛風」って言葉、良く聞きませんか?
この痛風とは、実はプリン体の過剰接種によって引き起こされる病気なのです。
プリン体は腸管で吸収され、細胞の代謝や増殖に利用されますが、ほとんどは肝臓で分解され、尿酸という老廃物になります。そして本来は尿や汗として体外に排出されますが、排出できずに余った尿酸は血中に溶けてしまい、病気を引き起こすのです。
その病気の代表格が、痛風。
関節が腫れて、突然激しい痛みに襲われる病気です。ビール党に多いイメージがあるのはそのためなんですね。
抗凝血剤服用中の方はビタミンKに注意
先ほど、ビタミンKは出血時の止血の働きがあると述べました。
これは、ビタミンKには血液凝固作用があり、傷ができた時等の止血に大きな役割を果たします。ほうれん草等の緑葉野菜、納豆、海藻類に多く含まれています。
心筋梗塞や脳梗塞等の血栓塞栓症の治療で、ワーファリンという抗凝血剤を服用されている方は、このビタミンKの過剰接種には注意が必要です。
ビタミンKの血液凝固作用がワーファリンの血液サラサラにする作用を阻害してしまうのです。
しかし、完全にビタミンKを断つことは現実的に不可能です。
そのためワーファリン服用中のビタミンKは、1日25〜325μgの範囲での接種は問題ないと言われています。
砂肝串2本で約80gだとすると、ビタミンKは約22.4μg。
2本くらいは食べても問題はなさそうですね。
それでも砂肝をおいしくたくさん食べたい!そんな時は
食生活や日常の運動を見直してみましょう!砂肝をたくさん食べるためだけではなく、あなたの健康や美容面全体に変化をもたらしてくれること間違いなしですよ。
食物繊維を摂取してコレステロールを下げる
海藻やこんにゃく等に含まれる水溶性食物繊維は、腸内のコレステロールに吸着し、体外に排出してくれます。
また、穀類や豆類に含まれる不溶性食物繊維は、便の排出をスムーズにしてくれます。
アルカリ性食品で尿酸値を下げる
野菜、海藻、芋類、きのこ類等のアルカリ性食品を摂ると、尿がアルカリ性に近づきます。
またバナナは尿酸値と血圧も下げる作用があり、とてもおすすめです。
肥満は尿酸値を上昇させる!
特に内臓脂肪型肥満が尿酸値を上昇させてしまいます。肥満対策にウォーキングやサイクリング等の有酸素運動を取り入れることも大切です。
まとめ
砂肝には嬉しい栄養素がある反面、食べ過ぎには気をつけなければならない栄養素もあります。しかし、それらは普段の食事や日常生活を少し意識して変えるだけで、特に気にする必要もないことなのです。
段々と生活がコロナ前のように戻り、飲み会で仲間との交流が増えた時、みんなで健康を気にしながらもおいしく楽しい時間を過ごしたいですね。