まるまる一本買ってもつい処分しがちな大根の葉ですが、フードロスが叫ばれている昨今では捨てるのが少し気が引けますよね。でも、大根の葉は食べても危険はないのでしょうか?
ほとんどの野菜は、食べ方によって有毒な成分を摂取してしまう場合があります。しかし調理法さえ気をつければ、むしろ栄養を豊富に含んでいることが多いです。
大根の葉も、実は調理法さえ気をつければ美味しく食べられます。むしろ積極的に接種したい、良質な栄養素を含んでいるんです!大根の葉は何が危険なのかを知り、適切な調理方法がわかっていると安心して大切な栄養素を摂取できますよ。
もくじ
大根の葉が危険と言われてしまう理由
大根の葉には栄養が非常に多く含まれていることがわかりました。
では、逆に大根の葉のどんなところが危険なのでしょうか?今回は「成分」「農薬」「調理法」の3つに分けて紹介します。
毒?最大の原因が「シュウ酸」
大根の葉には良質な栄養素がたくさん含まれていますが、同時に「シュウ酸」も多量に含んでいます。これが大根の葉が危険とされる最大の原因です。
シュウ酸は葉野菜などに多く含まれており、ほうれん草などが一般的です。いわゆる「アク」とされる成分です。
これを大量に摂取すると、カルシウムの吸収を阻害してしまいます。また、腎臓に溜まると尿路結石や腎臓結石などの結石の原因となります。
農薬が多くついている?
大根の根の部分は常に土の中に入っていますが、葉は地面の上に露出しています。また、大根の虫害は葉っぱに集中するので、一部を除いて農薬が不可欠です。そのため、大根の葉には農薬が付着したまま育ちます。
根の部分は土を落とされたり洗われていることが多いですが、葉まではしっかり洗われていないので、お店で買うときは大抵農薬が付着したままです。
ちゃんと調理しないとくさみが気になる
シュウ酸を多量に含んでいることで生まれる弊害は、栄養素だけではありません。シュウ酸は植物が虫や鳥などを避けるために出す「苦味」の成分なので、生で食べると苦味やくさみが気になります。ですが、大根の葉のくさみは調理法によって安全に避けることができますよ。
【参考:ふたばクリニック「ホウレン草(シュウ酸)と尿路系結石」】
大根の葉にはどんな成分が含まれているのか
いつも私達が大根として食べているのは、土の中に埋まっている「根」の部分です。
外側に出ている「葉」の部分は、実は根の部分とまったく違う栄養素が詰まっています。大根の葉は、決して危険ばかりではない有用な部分なのです。
それでは、大根の葉に含まれる有用な成分をピックアップして紹介します。
実は根よりも葉っぱがビタミン豊富
大根の葉にはβ-カロテンやビタミンE、B1、B2、B6、C、Kなど幅広いビタミンが含まれています。含有量は根の部分より多いです。
特にβ-カロテンやビタミンEは根の部分には含まれていません。β-カロテンは皮膚・粘膜の健康維持に有効で、ビタミンEは血液をサラサラにしてくれます。
カルシウムや葉酸なども豊富
大根の葉にはカルシウムが根の部分の約10倍も含まれています。言わずと知れた骨や歯を作る大事な成分ですが、現代人には不足しがちと言われているので、なるべく食べておきたいところです。
さらに、妊娠中に必要なビタミンの一種である葉酸も豊富に含んでいます。なおさら捨てるのがもったいなく感じてしまいますね。
注意点を避ければ大根の葉は危険じゃない!安全な食べ方
大根の葉で危険とされているのは、葉に含まれるシュウ酸や付着した農薬のためです。これらの危険は調理法によって取り除くことができますので、適切に調理をして美味しくいただきましょう!
生食を絶対に避ける
まずは、生食を絶対に避けることです。生で食べるとシュウ酸を多量に摂取してしまうため避けましょう。味としても、少し苦味やくさみも気になります。
特に妊娠中の方は、シュウ酸を摂取することによる結石のリスクが非常に高いです。葉酸が含まれているのでできる限り大根の葉も食べたいですが、必ず加熱してから食べましょう。
しっかり洗う
農薬付着のリスクは、しっかり洗ってから調理することで回避できます。できれば湯通しや熱湯で茹でたりすると、さらに効果的です。また、無農薬の大根を購入した場合でも苦味を抑えるために洗っておきましょう。
実は使える料理3つ
①ふりかけ
よく見るのが大根の葉のふりかけです。細かく刻んでちりめんじゃこなどと一緒に炒めるとご飯のいいお供になってくれます。
②味噌汁
根の部分と一緒に味噌汁に入れるのもおすすめです。さっと茹でアクを抜いてから味噌汁に入れると、大根をまるごと味わえる味噌汁になりますよ。
③ナムル
大根の葉を茹で、ごま油、醤油、砂糖、鶏がらスープの素で味付けをします。すぐに食べても美味しいですが、1日置くと味がしみます。冷蔵庫で2〜3日の保存が可能ですので、作り置きにもピッタリですよ。
まとめ
大根の葉が危険と言われる主な原因は、「シュウ酸」と「農薬」でした。しかし、これらの危険は以下の2つさえ気をつければ問題ありません。
- 生食を避ける
- しっかり洗う
大根の葉は危険と思われていたので、捨てられがちでしたが、実はビタミン、カルシウムを始めとしたたくさんの栄養が含まれています。これを捨てるのは非常にもったいないです。
大根の葉が捨てる部分ではなく美味しくて栄養価の高い野菜として見えてきたことでしょう。葉つきの大根を購入したときは切って捨てず、根の部分とともに調理して食べてみてくださいね。